去年9月にハイスクールが始まった娘。
小学校からの同級生と一緒に学校まで行き、ランチも小学校からのクラスメイト9人全員で、今も一緒に食べている。
幼稚園から小学校まで面子がずっと一緒だけに、絆が深いのだろうか…微笑ましい。

去年学校が始まって数日した頃、娘から新しい友達が出来たと聞いた。
隣の小学校から来た子で、とにかくお喋りさんだから、よく先生に怒られているらしく、英語のクラスで隣の席だから、一緒に怒られないかとドキドキするのだと言った。

何度か会話にその子の名前が入る。
今朝も「私も一緒に歩いて行く~‼️」とメールが入った。
娘は苦笑いしながら私に「私は好きやねんけど、皆が好きじゃないから歩きたくないって言うねん…でも良い子やねんで…」と靴を履きながら言った。

娘は「学校では友達も多くて、とても人気のある子やねん。でも私の小学校からの友達は何故か嫌がる…」と言った。
私は「何でやろな…喋り過ぎやからかな?」と言ってみた。
娘は「かな…」と言い笑った。

そんな今日の放課後、娘を迎えに行った。
隣に見たことのない女の子がいた。
車に乗り込んだ娘は「あの子が○○」と言った。
車が動き出すと、その子は娘に向かい面白い顔をした。
娘は笑った。
少し離れた後ろから、娘の小学校からの友達がいた。
やはり娘から聞いている通り、この子を避けて歩いているのだとわかった。

娘はその子が叔母さんと暮らしている事を私に話した。
両親が長女であるその子の事を愛せない為に、母親の妹の家で暮らす事を余儀なくされた。
「とにかく私は嫌がられた。何故だかわからないけど、一緒に住みたくないと言われた。家を出て欲しいと言われ、叔母は警察に行った。それから裁判官や警察官と何度も話をし、私は叔母の家族になるのだと言われた。だから妹や弟がホリデーに行っても、私は家族ではない手続きをしているから行けないって…」と聞いたのだと言う。
その子と小学校が一緒だった同級生は皆この話を知っていた。
小学校の低学年の時に叔母の家族になったようである。

その子の叔母さんは彼女に「あなたは嫌われる要素なんか何も無い。胸を張ってて大丈夫」と言ってくれるのだと言う。
自分の母親から「家から出て行って欲しい」と言われた小さな心を思うと私は苦しくなった。

私は娘に「皆が何故嫌うかなんて知る必要はない。一緒にいて楽しいなら、それが友達」と言った。
娘も「確かに」と言った。

我が子を愛せない…
なら何故に二人目、三人目の我が子は愛せんねん?
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まだ私が19、20歳の頃の花屋さんのバイト先に、とっても可愛い女の子のバイトさんがいた。
可愛いと言うより美人、本当に綺麗な顔の人だった。
ある時、二人で作業していたら、その人の彼氏や別のバイトの話、そして彼女の話になった。

私は最初は分からなかった。
仲良くなるうち、彼氏もいて彼女もいるバイセクシャルだと理解出来た。
その人は私に「気持ち悪いと思う?」と聞いた。
バイセクシャルであるということに嫌悪感抱くかと聞いた。
私は「彼氏は焼きもちを焼かないか?」と聞いた記憶がある。
ただ、父子家庭で育ててくれた父にだけは、バイセクシャルであること、しかし比率としては、やはり同性を愛してしまうことは言えないと言った。

その後、その人は舞台女優さんになった。
私は数年後にオーストラリアに行った。
そこで一緒に働いた人が同性愛者の人で、暮らしていた家の皆も同性愛者の人だったから、私は日本から離れたら、こんなに同性愛者の人があえて私は同性愛者であるということに拘ること無くオープンなんだとカルチャーショックを受けた。

今はイギリスに暮らしていて、周囲にはお母さんとお母さん、お父さんとお父さんの家庭もある。
違和感は全くない。
勿論、内心人がどう思っているかはわからないが、それに私は違和感がない。

先日、日本のニュース番組で話題のニュースを取り上げており、司会者が「同性婚が認められている国はお母さんとお母さん、お父さんとお父さん…という具合の夫婦がいますからね~」と言う場面があった。
数人いたアナウンサーや学者が険しい顔をして「えー😱!!」
と言うのをカメラがズームで捉えた。
この顔こそ、かつてあの人が私に聞いた「気持ち悪いと思う?」と聞いた理由であると思い出した。

オーストラリアで出会った同性愛者の日本人の人々は、日本だと堂々と手を繋ぐことも出来ないから、オーストラリアの方が
暮らすのには楽だと言った。

昨日も職場に男性だけど女性のファッション、ハイヒールサンダルを履いたお客様が二人来た。
それをジロッとみる人、なめるように上から見る人、知らん顔の人がいる。
私はレジにいて、その様子を見る。
結局、同性婚を認めている国の国民であれ、トランスジェンダーが普通の事になっているとニュースで言われている国であれ、実際はジロジロ見る人は見る、見ない人は見ないということに変わりはないと、いつも思う。

昨日は職場で何度も「あなた、ここで働いてる人?」と聞かれた。
名札も付けている私が「何かお探しですか?」と聞いても、その質問が返ってくる。
老人男性の中には、完全に上からなめるように見てから私の問いかけを無視し、白人スタッフに別のサイズがないか聞くこともある。

人が抱く嫌悪感は、国で認めたから無くなるわけではない。
それよりも、露骨な顔すな、すな…と、あのアナウンサーに言ってやりたい。
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娘が調理実習でブラウニーを作ってきた。
作り始めから終わりまでを40分でするという試験である。
使う材料は自分で決めて良いと言う。
娘から相談され、私は本来はバターとチョコレートを溶かして作るブラウニーではオーブンで焼く時間が35分かかってしまうから、簡単で焼き時間の少ないバターとココアパウダーを溶かして作る方を提案。

念のため、日曜日に一緒に同じ材料で娘に説明しながら「まず、バターとココアパウダーをレンジでチンしたら…」「次にこれを混ぜてな…」と、料理の鉄人のように動きながら、とにかくいち早くオーブンに入れたら焼き時間は25分で行けるから間に合う事を娘に見せた。

自宅に戻り、完璧なまでのブラウニーを焼いて来た。
しかし娘は浮かぬ顔。
理由を聞くと「先生は綺麗にできたやん!!」と誉めてくれた。
が、試験結果は最高得点の一つマイナス。
理由は「片付けながら調理しなかった為、散らかったのが目についた」からである。
先生の目についたからマイナス…
笑わしよんな…ほんまに…
12歳が片付けながらクッキング…
そんな12歳いてんのかい!

洗い物しながら料理、私はしますよ。
何故なら主婦経験長いからね…
調理実習でそれ求めるか、しかし…
納得いかん…
わかった…夏休みに料理一緒にしたとき、娘に片付けながら料理するよう教えたらエエんやな…

娘から「成功した生徒はほとんどいなかった」と聞いた。
理由はブラウニーを作るのが試験で、作り方も材料も生徒は自分で調べて材料を持ってくる必要があった。
つまり、知恵のある子ならユーチューブで作り方を動画で見てから来た生徒もいるであろう。
お母さんが作る人なら聞いて来ることもできた。
しかし携帯で材料だけ調べた生徒は、そもそもバターとチョコレートを溶かしてから作ると知らなかった生徒もいたらしく、冷凍したバターを持ってきて、まだ硬い状態のバターを使った生徒は酷い見た目になったらしい。

娘の友達は怒られて落ち込んでいた。
この友達はお母さんが本当に料理しない人で、スクランブルエッグすら出来ないお母さんであるため、マクドナルドと冷凍ピザオンパレードの家庭環境にあり、時にそれに飽きたら自分でスクランブルエッグとトーストで夕飯を済ませることもある友達である。

私が思うに、この調理実習はお母さんがいかに料理できる人か、また生徒は日頃からお母さんと一緒に料理をしているかどうかで、かなり有利か不利に別れる気がする。
持参する調理器具だってそうであるし、ケーキ類がかなり多い、いやほとんどである。
9月から新学期が始まり、また調理実習が隔週であるらしいが、今度はおかず的になるのだろうか…
それとも、またケーキなのか…
ちょっと楽しみになっている私である。
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娘の幼稚園からのクラスメイトの女の子は、幼稚園と学校の先生でさえ「あの子さえいなかったら、クラスの人間関係が全て上手くいく」と言うほど、常にこじらせてきた児童である。
小学校卒業式前日もクラスメイトの女子と仲違いし、当日も児童一人一人のスピーチで「残念なのは、何故か私はクラスメイトの女の子達と仲違いする事に巻き込まれたことです」と笑って言った。
女の子の両親以外、多分、保護者全員が内心「巻き込まれたちゃうがな…あんたやがな…」と思ったはずである。
冗談かと思うスピーチだった。

ハイスクールに入り、女の子はやはり仲違いを繰り返している。
ハイスクールは他の小学校からの児童も加わるから、どうなるのかと思っていたが期待を裏切らなかった。
しかし、変化があった。
女の子は同年代の女子と比べ、明らかに肥満体になってきている事から、仲違いした同級生から肥満を表す言葉を通りすがりに言われるようになった。
これにより、「いじめられている。転校するかも」と言い出した。

あれほど小学生の時は女王様として君臨したあの女の子が、今は小学生からのクラスメイトに「嫌がらせを受けるから、常に一緒に歩いて欲しい」と懇願する日々になった。
ざまあ見ろ…
3歳からずっと女の子により泣かされてきたお母さんの言葉である。

私の小学生時代も同じことがあった。
クラスメイトの男子からも女子からも人気のあるスポーツ万能の勉強もできる面白くて一緒にいて、とにかく楽しい女の子がいた。
私は3年生から6年生まで一緒だったと記憶している。
4年生になった頃から、週変わりでクラスの女子一人をターゲットにし、無視するように指示し始めた女の子。
理由は「最近、生意気」だったり「最近、リーダーぶっている」だった。
無視に参加しなければ自分もやられた。
私も何度も何度もやられた。
ある朝、学校に行ったら女子が無視する。
ああ…私が今度はターゲットか…と分かる。
遠足も一人…
地獄であったが、女の子が無視される事はなかった。

そんな女の子も中学に上がり、私は全く別のクラスになった。
が、入学して1カ月程が経過した時、その子が私に「一緒にバスケ部に入って欲しいねん」と切り出した。
皆既に部活に入部して慣れた頃、自分だけ1カ月遅れで入って浮くのが嫌だった。
「入って、ちょっとしたら、すぐに辞めてくれて良いから」と言った。
私はバスケ部に入部。
気がついたら女の子は来なくなっていて、私はバスケ部を辞めれなくなっていた。
辞めたらヘタレ…と言われる恐怖と、「一緒に頑張ろうや❗」と言ってくれた友達…
何より顧問が恐ろしい先生だったから、言い出せるはずもなかった。

結局、中学を卒業するまで私は女の子に会う事はほとんど無かった。
あれほど厄介で恐れた存在のあの子が、中学になったら存在さえ消えてしまった。
小学校という小さな世界の女王は、中学校という大きな中においては気の小さな女の子だったのである。

私はこの経験を、娘に話した。
まだ小学生だった娘も、今は「ホンマにお母さんの言うように、立場が逆転した」と言った。

バスケ部に入り、体力の消耗に気をとられ、人間関係などに気をとられなくなったからなのか…
それとも、バスケ部を辞めなかった私に根性と強い精神が身に付いたからなのか…
お陰で「国に帰れ!」とカーライルの街中で叫ばれても、まっすぐ進める。
バスケ部に招待してくれた、あの女王のお陰である。
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娘のクラスメイトに、ある男の子がいる。
彼はエジプトで生まれ、小学6年の時にイギリスに来た。
去年の9月に新学期が始まった時、娘は最初「言葉が分かりにくい」と彼の事を言っていて、その言葉の分かりにくさを馬鹿にする児童には容赦なく攻撃的だった。
授業も理解が悪く、成績も悪い。
が、ある時から英語の先生が娘と彼を隣に座らせ、娘に「彼を助けてあげて」と言われた。
以後、今も隣に座らせられている。

話すうち、彼がイギリスに来てまだ1年半ほどしか経過していないから、英語がままならないのだと娘は知る。
彼が話す英語も何かしら抜けていると娘は言う。
例えばI am going to the park と言う際、彼はI am going park と言う。
意味は分かるから問題はない。
が、これが長い話し言葉になると、しばしば抜けてわからない児童もいる。
娘はその点、生まれた時から英語の文法も単語も発音もハチャメチャな母親に育てられているから、何が言いたいのか推測できる特技を自然に身に付けている。
英語の時間、彼が何で混乱しているのかが分かる為、多分先生は隣にしたのだと思う。

今年の9月からは英語もレベル別の教室となる。
彼は成績が下の評価になっているため、娘とは離れる。
娘は「言葉の壁から成績が下になるのは不公平よな。でもイギリスに来て1年半でハイスクールの授業を理解できるなら大したもんやと私は思うわ…」と言った。

ほんまや…
私なんぞ17年住んでコレですわ…
もう英語が上昇する事はない。
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面倒くさいが、昨日はコロッケがどうしても食べたくなり、朝からパン粉までの行程を仕込んで仕事に出掛けた。
帰宅したら揚げるだけ…何てワクワクするのだろう。

コロッケを見て娘が「知ってた?コロッケが世界で最も共通で食べられている食べ物なんやて…家庭科の先生が言うてた」と言った。
「スペインにもコロッケはあるし、一番共通してんねんて…」と言ったから「そうやね、スペインのハムの入ったコロッケも美味しいけど、オランダのアムステルダムの街中にあるコロッケの自販機のコロッケも、なかなかのコロッケやったわ」と私が言うと、娘は「でも私は日本のコロッケが一番好き」と言った。

世界で最も共通した食べ物がコロッケやて、よう言うたなイギリス人先生よ…
喧嘩売るつもりはないが、私はイギリスに住んで今までで一度足りとも手作りコロッケを見たことも話題にさえ聞いた事ないで…
冷凍食品売り場でコロッケを見たことはあるし、亡くなった義父がオーブンでチンしているのを食べた事はある。
ほんまに芋しか入っていないコロッケである。
売ってはいるが、それは冷凍食品のコロッケやないか…

そもそも、揚げ物など絶対にしないイギリス人お母さんが、あんな手間のかかるものを作るはずがない。
コロッケを学習しといて、作るのはブラウニー…
何やねん…それ…

イギリスのコロッケはシェフが作ったら美味しいのだろうか…
食べる手だてがないし、レシピ本にもない。
食卓の定番メニューでは、まず無い。
日本のコロッケは肉入りであるが、世界のコロッケはまた違うのだろう。
そういう意味で、非常に興味深い共通の食べ物であるが、イギリスがこの「共通」に入るのかどうか…
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職場の同僚が、母親が一人で暮らす家に住む事になったと話した。
理由は母親を手伝う為である。
同僚もお母さんも、同僚の弟も体重超過の家系で、お母さんは140キロになったあたりから腰の痛みが酷くなり、車椅子になった。

着替えやシャワーなど手伝う人がいなければ生活が難しい。
胃を切除する手術は糖尿病を患っている人なら無料で受けられるが、そうでなければ自己負担で、かなりの費用がかかる。
手術するお金はなく、45歳のお母さんは娘の世話が必要になった。

同僚も中学生の頃には既に100キロを越えていた。
イジメも相当あったという。
しかし、どうして良いのか分からなかったのだと言う。

朝ごはんはチョコレートバターをトーストに乗せたもの、ランチはピーナッツバターのサンドイッチとポテトチップス、夜はスパゲッティが主食だった。
お母さんがコーラやファンタしか飲まない人だったから、自分にもそれを与えていて、それが普通であり、皆そうだと思っていたという。
イチゴ味のヨーグルトはヘルシーだと思っていたし、ミルクシェイクも牛乳だからヘルシーだと信じていた。
その中に大さじ24杯もの砂糖が入っているなど知らなかった、だってヨーグルトはヘルシーだと聞いていたからである。

皆食べているのに、気がつけば自分だけが体重超過していた。
どうしてなのか、何故に自分だけなのか分からず、しかし野菜も食べている自分が痩せる方法も分からず今に来たのだと同僚は言った。

同僚もお母さんも多分、お母さんのお母さんも何をどれだけ食べるのが良いのか悪いのか、単純に分からなかったのだと話を聞いていて思った。
スーパーに行けば安くて開けたら食べるだけの手軽スナックレベルの食品がズラリ並ぶ。
そんなものが安くで買えるのに、何故わざわざ高い食材を買って手間隙かけて作らねばならん?
確かにそうである。
食材より出来合い製品の方が安い。

知識をどう広めるか…
きっと無理だとイギリスに住んでいて思う。
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夏の旅行の話を同僚としていた。
同僚のSはシーフードが好きだから、必ずスペイン領に行くと言った。
婚約者の彼がファーマー家庭で、食べるものがザ、イギリスの食べ物しか食べない家庭であるから、新しく入ってきた食文化のものは一切口にしてこなかったし、試す気もないし、シーフードは危ないと教えられてきたから絶対に食べない家系の人で、彼と暮らしていると肉とじゃがいもしか食べれないから飽きるのだと言った。
だから、イギリス国内に旅行しても食の楽しみもないから行かないと言った。

別の同僚はスイスやルーマニア、ハンガリーなどに旅行するのであるが、行き先では絶対にハンバーガーかピザなど、イギリスで食べるものしか食べない旅行好きである。
行き先で、その国の食べ物を絶対に試さない旅行好きである。

別の同僚は家族でベトナムに行き、鳥の足のスープがとにかく美味しくて、以来何度もアジア諸国に旅行に行く。
カエル料理など、試したことがない食文化が面白いと言う。

同僚らの話を聞くと、旅行だけは食の合う人と行かねば無理やなと私は思う。
私もイギリス国内に旅行するなど結婚式で行く以外、絶対に嫌である。
どこに行っても似たり寄ったりのメニューしかないし、そりゃロンドンなら選択肢は国際色豊かであるが、それ以外はメニューは国で決まってんのか?と思う程、冒険も異端もない。
隣の家はホリデーと言えばキャンプに行くが、奥さんがいつも「うちの夫も子供たちも缶トマトスープ、サンドイッチ、ソーセージしか食べないし、私もそれしか作れない。だからスペイン旅行に行っても食べれるものがない。キャンプに行けば缶トマトスープ、缶詰めソーセージ、缶詰め大豆のトマト煮、ピーナッツバターサンドイッチをキャンプ場に持っていけば何週間もキャンプができる」と言う。

ある意味、そのワンパターンで満足なら幸せである。
あれを食べたい、これを食べたい…がないから、ずーっと同じものを食べたら幸せなのである。
同僚の婚約者も多分、こんな家庭環境だったのだろう。
人の食の満足度とは何なのか…
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先々週の娘の調理実習での事。
その日はチョコレートスポンジに缶詰め洋梨を入れて焼くケーキで、薄力粉やらケーキ用マーガリン、ココアパウダー…等々を持たせねばならなかった。
缶詰め洋梨だけは買い置きがないから買いに行ったが、教師が材料以外にも持ってこいと言うのは混ぜるボール、ゴムベラ、20センチの丸型ケーキ型である。

四角やったらアカンのか!焼かれへんのかい!と突っ込みたくなるが、この教師は丸型と言ったら丸型、長方形型を持っていったら点数をくれないし、機嫌が悪ければ作らせてくれない。
であるから、娘はまず材料の前に私に「お母さん!20センチの丸型ある?」と必死の顔で聞いてきた。

私は娘に型の内側に敷き詰めるこびりつき防止の紙を持たせた。
私の型は年季が入りテフロンではないので紙を敷かねば焼いてもスポンジが引っ付いてしまう。
バターを塗ってから粉をはたく方法もあるが、多分この女教師が教えていないテクニックは嫌がるかヒステリックに叫ぶかも知れないから、私は紙を敷いた状態で持たせた。

結果、何故かこの教師は「紙を敷かずに焼け」と娘に指示し、完全に引っ付いた。
ケーキ作りのノウハウをほんまに分かってんのか、この教師は…と呆れた。
が、娘からその日聞いたのは、同じ調理実習での事件だった。

ある男子生徒はシングルファーザーの父親と二人暮らしで、必要材料の中に「卵2個」とあったために父親は前夜急いで茹でた。
茹でたての卵をタッパーに入れ翌朝まで常温で保存、翌朝男子学生はリュックサックに入れて午後2時まで持ち歩いた。

ケーキには生の卵と知らなかった男子生徒は知るよしもなく、卵を割ったら硫黄臭はするわ茹でてるから使えないわ、あげく教師が「何故茹でたのよ!」と激怒。
材料に生卵と書いてあればケーキ作りを知らない父親も分かったが、生卵が常識である故にあえて書いてはいなかった。
男子生徒は泣き、卵無しで焼いたらしい。

確かにケーキのレシピには、どんなレシピ本にも「生卵」とは書いていない。
誰のせいなのか…
しかし男子生徒は減点された。

今日は教師が生徒らに「Tray Bake 」とだけ伝えた。
Tray Bakeとは天板で焼くケーキの事で、スポンジケーキもあればブラウニーもこの種類に入る。
焼き時間が早く、ほぼ失敗がないから簡単に作れるが、幅が広い。
教師は「好きなトレイベイクを焼いて良いよ」としたが、これが混乱を呼んだ。
まずトレイベイクを知らない生徒が半数以上いて、その保護者らもトレイベイクとは何なのかが分からず、材料を持たせなかった。
それともうひとつ、教師は「正方形の20センチ型を持参の事」とした。
これは自宅でブラウニーを焼く家庭なら絶対にあるが、そうでなければまず持っていない。
これもカーライルでブラウニー型を売っている店があるのかどうか疑問で、私も確かネットで買ったはず。

バラエティーに富んだケーキを知ってほしいとの願いから、こんなオーダーになるのか、それとも自分が幅広い分野を知っていますと見せたいのか、もう本当に謎でしかない。
私は材料や型を既に持っているから良いが、毎度これを買い揃える保護者はどう思っているのかと思う。

せめてシングルファーザー家庭の事を考慮し、卵は生か茹でかだけ書いてあげてはどうかと思う。
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夜、寝室の窓を開けて本を読んだりしていると、馬の通りすぎる音、鳥の鳴き声、牛、羊のメーメー鳴く声がやかましいくらいである。
昨日はやたら羊が鳴いていて、キツネでも来ているのかもしれないと思った。

田舎の風情…
生活していたら鳥の鳴き声は朝4時から殺意を覚える耳障りであるが、窓を開けたら家畜と肥料の臭いが漂い、私はこんなところに住んでいるのかと笑ってしまう。

亡き義母がこの家に住む前に住んでいた家の裏手にラマをペットで数匹飼っている家があり、夕方になるとラマが赤ちゃんが泣く声にそっくりの声で鳴くのであった。
ある日私が「どこかで赤ちゃんが泣く声が聞こえるけど、ずっと泣いてる」と言うと、真っ赤な爪をした指にタバコを挟んだ義母が「ラマ」とだけ言いタバコを吹かした。

良いのか嫌なのか分からない顔で「ラマ」と言った義母。
「何でラマなんかペットで飼うの?」とは聞けなかった。
知らんがな…
多分、誰もがそう言うであろう…
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