kyupinの日記 気が向けば更新

kyupinのブログへようこそ。

このブログは精神科全般、旅行、音楽、スポーツなどについての日記です。始めて既に10年以上経っているため、過去の記事には、現在のルールに沿わないものがあります(適応、処方制限など)。精神科に関する疑問は過去ログのどこかに記載していることが多いので検索してみてください。(○○ kyupin でググる)

kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)
kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)

1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>

Ashkan Kooshanejadの音楽

 

 

00:00 Ash - Souls

09:04 Ash - Worlds Apart 

14:35 Ash - Where's My Mind 

20:39 Ash - Daydream 

25:44 Ash - Le Beirut (ft. Samia) 

32:03 Ash - Homes 

37:51 Ash - About Life 

43:08 Ash - Senses 

46:59 Shadden Fahim - Funeral Of Our Fire (Ash Remix) 

52:14 Ash - Heaven 

57:41 Ash - (Unreleased)

01:01:53 Ash - Little Changes (ft. Jinadu) 

01:07:28 Ash - Mourning 

01:13:08 Ash - Mosaïque

 

今日はイラン出身の天才アーティスト、Ashkan Kooshanejad(アッシュ・クーシャ)を紹介したい。彼はイランのテヘラン出身。イランではミュージシャンや映画俳優として活躍していたが、当局から反体制的と見なされ拘束されかねない状況になりイギリスに亡命している。以下は、彼が主役を演じる「No One Knows About Persian Cats」の予告編。

 

 

1番上に挙げたライブ映像では、アッシュ・クーシャがさまざまな楽器を演奏しているのがわかる。どの楽曲も実に美しく、他のライブ演奏に比べても出来が良い。

 

とても綺麗な風景だが、湖ではなくエーゲ海である。トルコのエーゲ海に面した観光地でライブ演奏しているのである。

 

彼のライブ演奏がいくつもYouTubeに挙がっているが、風光明媚な背景で演奏しているものが多い。

 

 

これはモザイクという楽曲。最初のライブの最後にも演奏されているが、ピラミッドを背景に演奏している動画である。彼がアラブ系なのがあると思うが、実に背景にマッチしている。

 

 

ホームズのライブ演奏。この動画の背景はエジプトのカイロである。

 

以下は室内で演奏されているアコスティックライブ。このようなミュージシャンを見ると、世界は広いと感じる。

 

 

実は過去に一度だけ、イラン映画の記事をアップしたことがある。オフサイド・ガールズである。現在はイランでもサッカー場に女性専用エリアが設けられ、ワールドカップ予選を観戦できるようになっているらしい。

 

 

参考

 

 

 

 

患者さんは精神科医のどういうところを見ているのか?

診察中、転院前の精神科医がどんな風だったかを話す患者さんがいる。それはマイナスの話が多いが、「患者さんはそんなところを見ているんだ」と驚くし、どのようなことが患者さんの心証を悪くするか参考にもなる。以下に例を挙げる。

 

◯精神科医がジーパンで診察していた。

これはどうなんでしょう。精神科医はフォーマルな格好で診察することはむしろ稀で、特に単科精神科病院では、普段着で診察している医師が多いのではないかと。男性精神科医では、ステテコで診察している人がいるくらいなので、ジーパンくらいで驚いてはいけない。

 

自分はどうかというと、ジーパンは持っているが、伸縮性が乏しいので診察時には着たくない。また、この話を聴いてからいっそう着にくくなった。何故なら、その患者さんは、ジーパンを着て診察しているなんて不真面目すぎると語っていたから。ジーパンは自宅で洗えるので、クリーニング代の節約になると言ったところ。

 

◯医師が患者さんの名前で呼びかけしない。

〇〇さんとは言わず、貴方などと言うと、非常に怒る人が実際にいる。〇〇さんと呼ぶようにしても、うっかり貴方と言ってしまうこともあるだろうと思う。このようなことを聴くと、「もしかして、カウンセリングのマニュアルに名前で呼びかけるように記載されているのでは?」と思ってしまう。

 

◯精神科医が金髪に染めていた。

これはマジで患者さんが激怒していた。患者さんの年代にもよると思うが、やはり医師の理想像ってあるんでしょう。医師の金髪がチャラい印象を与えてしまい、不真面目とみなされてしまうのかもと思う。しかし思い浮かべて欲しい。一大決心をして精神科に受診し、悩んでいることを話そうと思った時、目の前にチャラいお兄さんが座っていたとしたら、話す気にならなくなると言うのはあるかもしれない。

 

〇アクセサリーがチャラ過ぎる。

結婚指輪くらいなら問題ないと思うが、担当医が海外のロックバンドのようなド派手なネックレスとか、ブレスレットをたくさん付けていたらしい。これも金髪の医師と同じようなチャラい印象があると思う。もうこの医師には話したくないみたいな。

 

◯体が臭い。鼻が曲がる。

これは実話である。しかも知っている医師なので、なるほどと思った。滅多に風呂に入らない上に、靴下を履かずサンダルで診療しているため、患者さんには大変な悪臭である。この評価は必然と言えた。しかも、すごく彼のクリニックは流行っているのである。この奇妙な現象について、うちの病院の看護師さんの見解は、「医師を信頼しているとその臭いも気にならなくなるんじゃないでしょうか?」

 

全くです。

 

◯明らかに男性なのに女装した精神科医が出て来た。

これは10年に1度の大事件。LGBTの人たちの人権は守られるべきと思うが、精神科医は患者さんの心理負担を少なくして診療した方が良いので、見た目の異様さが明らかだったとしたら、診療環境としてまずいのではないかと?

 

このような悪評価を、差別だとかそのような視点で語る人がいたとしたら、精神科医が接遇を含めたサービス業でもあることの認識が欠けていると思う。

 

その医師が、はるな愛や椿彩奈くらいの真の女性と見分けがつかないならほぼ問題がないと思うが、明らかに男性とわかるような人が女装して診察は、患者さんもかなりストレスになるし信頼もされにくい。

 

◯あの精神科医は、〇〇という薬も知らなかった。

〇〇に当たる薬が日本で発売されている薬でないなら、知らない医師も多いのではないかと。まして麻薬系だと知らないとしてもその医師の評価を下げるものではない。ただし将来発売になるかもしれないケタミンなどは本邦未発売でも知っている精神科医が多いと思う。

 

 

 

 

 

ミャーと鳴くぶち

 

 

このネコは、いつも顔を菱形にして大きな鳴き声でミャ〜と鳴く。他のノラネコとはちょっと違う感じなのよね。

 

このネコは「ミャー」と呼んでいる。

 

背景にもう1匹、模様の違うぶちがいるが、あのネコはそこまで寄ってこない。しかし人を恐れてはいないみたい。ノラネコには鳴くネコと鳴かないネコがいるが、それでも日本のネコはわりあい鳴く方らしい。

 

ノラネコはよく鳴く方が餌にありつき易いのもあると思う。どこにいるのかすぐにわかるし。

精神科におけるマイナ保険証について

現在、マイナンバーカードと保険証を統合し従来の紙保険証を廃止しマイナ保険証とする政策が進んでいる。ところが、マイナ保険証に他人の情報が書き込まれているなどのトラブルが多く、期日(2024年秋)通りに紙保険証が廃止できるのか危ぶまれる状況である。

 

なんと、他人の情報がマイナ保険証に書き込まれていたというトラブルは7300件以上、その他、情報更新が反映されないというエラーのトラブルも多いらしい。

 

そもそもマイナ保険証が導入される政府の目的は、マイナンバーカードを普及させることが大きいと思われる。現在のところ、マイナンバーカードの普及率は高くはないからである。以下の総務省のサイトを見ると、令和5年6月25日の時点で人口に対する割合は77.3%ほどである。

 

 

 

紙保険証が廃止されると、国保や健保を使って診察、治療を受けるのならばマイナンバーカードを取得するしかなくなる。今回、7300件以上とされる他人の情報が書き込まれたトラブルの原因は人為的ミスらしい。例えば、ログアウトせず書き込んだなどである。人為的ミスが起こりにくい仕様のシステムではないようなのである。

 

既にうちの病院でもマイナ保険証を利用できる体制になっているが、今のところマイナ保険証を使っている人はかなり少ない。外来窓口で保険証と紐づけ済のマイナンバーカードを入れるとその病院だけでなく、その人が受診している他の病院の処方状況がすぐにレセコンに出てくる。お薬手帳より詳細で、他の病院で点滴された内容まで表示されるのである。なお、現在は本人が承諾しないと情報が表示されない。この場合、従来の保険証が必要になるのだと思う。

 

精神科でのマイナ保険証の意味は、他の病院で重複して向精神薬を貰っているとすぐにわかってしまうこと。

 

例えばデパスなどの抗不安薬を2~3つの病院で重複して処方を受けていることがわかる(デパス大量服薬者)。また、現在眠剤は2剤までとされているが、内科で例えばゾルピデムなどを貰っていて実は3剤を服用しているなどが明確になるのである。

 

現在、重複処方がないのを確かめられる向精神薬はコンサータなどの登録制の向精神薬だけである。

 

 

つまり現在のお薬手帳より詳細なデータベースがマイナ保険証(つまりマイナンバーカード)に書き込まれることになる。これは不正に重複して向精神薬を貰っている人が明瞭になるので、メリットも多い。

 

また精神科の夜間輪番で来院した患者さんがいかなる処方を受けているか、さっぱりわからないこともよくあるが、もしマイナ保険証を持参していれば、すぐに処方内容がわかるので対応しやすくなると思う。この2つが精神科では大きなメリットである。

 

また、2つの病院、例えば精神科と内科で重複して2種類を超えて抗不安薬(特にデパスなど)や眠剤(フルニトラゼパムなど)などの処方を受けていると、それまで問題にならなかった2剤制限に引っかかるようになるのではと思う。

 

もともと健康保険証は顔写真がないので不正利用されることがあった。マイナ保険証になるとマイナンバーカードに写真があるのでそれらの不正利用がかなり難しくなる。マイナ保険証は健康保険の不正利用を防ぎ、財政的にも損失を減らそうという意図もあると思う。

 

国が必至でマイナンバーカードを普及させようとしているのは、コロナ給付金などの支給などの際に容易にいかずとても困ったなどが挙げられる。特に高収入の人や資産の多い人にはコロナ給付金は配りたくなかったであろうが、それも簡単にはわからないのである。その結果、全員に配るようにせざるを得なかった。

 

現在、ネット銀行、ネット証券、国内の仮想通過取引所などのKYC、確定申告(つまり税務署)の際にマイナンバーカードの番号を記載しなくてはならない。もしマイナンバーカードを取得していない場合、どうしたら良いのかまでは知らない。確定申告の際には自分以外、嫁さんや扶養者に入れている母親のマイナンバーカードの番号が要求されている。

 

将来的には、マイナンバーカードには保険証だけでなく、個人の銀行口座、収めている税金の状況(確定申告内容)なども完全に紐づけされて、国民の資産状況を国に把握されるようになると思われる。

 

マイナンバーカードは行政のいろいろな点で利便性を増すが、将来的には資産税の施行も可能になるかもしれない施策である。国の意図として国民に正しく確実に納税させる目的が大きな部分を占めていると思う。

 

なお、僕はマイナンバーカードの施策は賛成である。そもそも年金記録問題もこのようなデータベース化が行われていなかったから生じたものである。

 

https://www.nenkin.go.jp/service/nenkinkiroku/torikumi/sonota/kini-cam/20150601-05.html

 

一方、起こりうるリスクは、ランサムウエアなどのサイバー攻撃が挙げられる。もしこのようなことが生じると、まずくすると全国規模で患者情報が閲覧できなくなるという事態もあり得ないわけではない。

 

なにしろログアウトせず書き込んで他人の情報に置き換わってしまうレベルのシステムで運用する国である。全国規模で情報が閲覧できなくなり、日本がハッカーに身代金を支払うようになったりすると、世界の笑いものになってしまうと思う。

 

 

新型コロナとツムラの漢方薬の話

ツムラの漢方薬は、風邪、上気道炎、気管支炎に有効なものがいくつかある。代表的なものを挙げてみる。以下の過去ログも参照。

 

 

1、ツムラ葛根湯(ツムラ1)

風邪薬の定番。頭痛、発汗、悪寒などに処方される。肩こりや神経痛にも有効。

 

2、小青竜湯(ツムラ19)

アレルギー性鼻炎によく処方される。

 

3、麦門冬湯(ツムラ29)

痰の切れにくい席、気管支炎、気管支喘息に処方される。

 

4、麻黄湯(ツムラ27)

悪寒、発熱、頭痛、腰痛。感冒、初期インフルエンザ。その他、関節リウマチなど。

 

5、桔梗湯(ツムラ138)

咽喉の腫れ、疼痛。扁桃炎、扁桃周囲炎に処方される。新型コロナ感染症は、水も飲めないほど喉が痛い人もおり、この漢方が処方されたようである。アルドステロン症、ミオパチー、低カリウム血症の人は禁忌。

 

6、小柴胡湯加桔梗石膏(ツムラ109)

効能効果は桔梗湯とほぼ同じ。今回のコロナ禍で、桔梗湯より小柴胡湯加桔梗石膏の方がより効くことが判明。

 

新型コロナパンデミックの際、風邪症状に有効な漢方薬の需要が爆発的に増した。その際、ツムラは生産ラインをこれらの漢方薬に動員したため、風邪と関係がないか薄い漢方薬の生産量が減り納入が難しい時期が続いたのである。

 

特にうちの病院では防風通聖散(ツムラ62)が不足する事態になった。防風通聖散は、一般に便秘に処方される。やせ薬としても人気が高いため、全国的にはそこそこ処方される漢方薬である。実際、効能効果には、肥満症、むくみが挙げられている。

 

今回、ツムラ防風通聖散を購入できない時期、クラシエやオースギの防風通聖散に変更して処方してみたところ、ツムラに比べオースギの防風通聖散の方が、便秘に関してはより効くことがわかった。患者さんがそう言っていたからである。

 

ツムラの国内の工場は茨城県と静岡県にあるらしく、2011年の東北地方太平洋沖地震の際には茨城県の工場が被災して、いくつかの漢方薬が不足する事態になった。

 

 

新型コロナパンデミックは貿易にも支障をきたすため、生薬が足りないのでは?という話もあったが、ツムラは2年分の生薬を準備しているらしい。だから、需要の高い漢方薬を優先しただけなのである。

 

その他、比較的需要の多い八味地黄丸(ツムラ7)、柴胡加竜骨牡蛎湯(ツムラ12)なども一時生産調整されていた。最近はかなり生産調整が解除されつつある。

 

ごく最近、再び新型コロナ患者は増加傾向にある。特に沖縄県。新型コロナは前回のピーク時に比べ決して軽くはなっていないので少し心配している。精神科病院でも職員や患者さんに感染者がチラホラ出てきており、増加しているのは間違いない。再び、一部の漢方薬の納入が難しくなるかもしれない。

 

 

現在、国内で漢方薬の売り上げが多いものを5つ挙げると(順位は間違っているかも)、以下のようになっている。

 

1、大建中湯(ツムラ100)

術後に処方される緩やかな効果の下剤。15gなので量が多くなる。

 

2、芍薬甘草湯(ツムラ68)

こむら返りに有効。効果が高いが、アルドステロン症、ミオパチー、低カリウム血症の人は禁忌。

 

3、葛根湯(ツムラ1)

 

4、抑肝散(ツムラ54)

不眠の薬だが、認知症や発達障害の不穏にも処方されることがある。そのようなこともあり、需要が高い。

 

5、補中益気湯(ツムラ41)

代表的な補剤。

 

参考)

 

 

 

 

 

1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>